chat noir essa日々の出来事
最近時々焼き菓子を2つ買いにくる
75歳Overの男性がいる。
慣れない感じで、
焼き菓子を選んでいる。
「よろしかったら、カゴをご利用ください」と
アナウンスすると、
「結構です」と返答が返ってくる。
今回もフィナンシェを2個選んだ。
御会計の時
「おたくは、お菓子を箱に詰めてくれたりするのか」と聞いてきた。
強張った口調にちょっとドキっとした。
「はい、お箱詰めも致します。どのような用途で
ご利用でしょうか」お訊した。
「粗供養に使いたい」とおしゃった。
御供え用に見本のギフトボックスを指して、
「このような感じで、ご予算に合わせて
ご用意出来ます」とお伝えしたし、
「ご予約をおうかがしましょうか
とお訊ねすると、
「ご予約します」と言うので、
ご予約用紙にお名前を記入していただいた。
その時のペンがむらさきで、
「洒落たペンだな」と少し会話して
少し緩んで店を出た。
数分後、電話が鳴り、
「先程粗供養の注文をしたものだけと、
妻の3回忌に使うので、黄色の水引き(熨斗)に
して欲しい。いい忘れていた」
「ご確認不十分で、失礼致しました」
「いえいえ、こちらも伝えて忘れていた」
と会話を交わし電話切った。
あの粗供養、奥様の3回忌のお品だった。
時々買いにくる焼き菓子2つは、
仏壇の御供え用だと思った。
背景に寄り添える接客をしたいと
思う。
※黄色の水引きは、関西圏で使われる水引きです。